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ぴー太を看病したあの日、あんな感じで出て行ったのに数日後道からはお礼がしたいからと連絡が来た。
俺はというと結局会いたい気持ちには逆らえず了承した。
ランチを奢ってもらえることになったので、俺はうちからあまりかっこよくないセダンをだして道に会いに行った。
顔を見れば悔しいけどやっぱりうれしくて、この人のことを好きでたまらない自分を再確認させられる。
目的の店まで運転中、体の中心がカッと燃えて心臓がドキドキした。これほどまでに動揺するのかと思ったがどうも違う。これは完全に熱が出たと気付いた。頭がくらくらするのが治まらない。
この間のぴー太の看病で風邪がうつったかな。せっかく一緒に車に乗ってるのに……でもだめだ。このままだと事故を起こしそう。道に怪我なんかさせるわけにいかない。車通りの少ない道に差しかかったところで、ハザードを出し、車を路肩に停めた。
「どうした?」
「……告白とかするわけじゃないから、安心してください」
やっぱりちょっと棘々しい言い方になってしまう。
「何くだらないことを言っているんだ。もしかして具合が悪いのか」
「こんなときに、すみません。どうも頭がくらくらしちゃって」
ふと、道の手が、俺の額に伸びてきた。髪を少し書き上げながら手を当てる。それだけでもう、頭のくらくらがヒートアップしてぐらぐらになり、倒れてしまいそうだった。
「すごい熱があるじゃないか。どうしてだまっていたんだ」
「だってせっかく道さんと二人で出かけられるのに、言えるわけないですよ」
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