413人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
道は俺の就職をとても喜んでくれて営業職なら何着あっても足りないだろうと、スーツ一式をプレゼントしてくれることになった。
ショッピングモールの中のスーツショップ。どうも俺はよくわからないので、道が選んできてくれたスーツを早速試着してみる。
「うーん。どうかな?」
「いいじゃないか。すごく似合ってる。ネクタイも合わせてみよう」
そういって道がいくつか持ってきたネクタイをぱぱっとあててみて、ひとつを選んでくれた。
あまりネクタイを締めたことがない俺は上手に出来なくて道が調整してくれる。
「いいね。すごく。信もこうしてみると大人の男だね」
「そ……そう?」
「うん……色気があって、そのスーツ今すぐ脱がしたくなる」
「ばっ、ばかじゃないの?」
真っ赤になって慌てる俺を笑いながら見る道を睨む。
「でも、俺が選んだスーツを着たら、俺に包まれてるみたいじゃない?」
もう……なんでもいいです。ワイシャツもいっぱい買ってくれたからいいとしよう。
最初のコメントを投稿しよう!