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止まらない涙を道がぺろっと舐めて口づけた。不意のことに驚いて惚けたように道を見つめてしまう。
「信、お前がそんなに妬いてくれてうれしいよ。でもそんなに俺のことが信じられない?」
もう一度そう囁くと耳元を舌を這わせて、続けて唇を食まれた。道の瞳はもう情欲が見え隠れしていた。
軽く啄ばまれた唇は次第に荒々しくなり激しく音がするくらい吸い上げられる。息苦しくなって少し口を開くと容赦なく舌がめり込んできた。蠢く舌は俺の舌を捕らえ絡み付いてくる。
足元がふらつくと道が腰に手を回して支え、さらに唇を合わせてくた。
「ふ……あっ……」
道の唇が触れるだけで体に電流が走る。
こんなにも道のことが好きだ。足はさらにガクガクする。
「道さん……お……れ立って、い……られ……ない」
そのままキッチンで押し倒され道がかぶさってくる。肩甲骨が床に当たって痛いけれど、キスの雨は止みそうにない。
Tシャツを剥ぎ取るように脱がされ、首筋や胸も音を立てて吸われた。
すっかり力が入らなくなった俺は道の体温と重さを確かめながらなすがままになっていた。
やがて少し落ち着いたのか、道が腕を立ててまっすぐ俺を見下ろした。
肩で息をする必死な顔を見たら、愛おしさが溢れてきて道の背中に腕を回そうとしたが、手首をつかまれて床に押し付けられた。
体を密着させて来て俺と道の反応しているものがぶつかった。シャツの上からでも道の少し早い鼓動が聞こえる。
ぴったりと俺にかぶさったままじっと俺をみつめていたが、道はやがて上体を起こした。場所を変えるつもりだろう。
さっきのキスで俺は……足に力が入らない。必死に目で訴える。
「信、もしかして動けないの? かわいすぎるんだけど」
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