【しょっぱいチョコ】

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「お母さん、後は宜しくね。 到着の日にち間違えないでよ!」 私は、念を押した。 だって、バレンタインデーじゃない日にチョコが届いたら意味がないじゃない? 『分かってるわよ!じゃぁ、これから行ってくるけど、調子悪くなったら直ぐ連絡ちょうだいよ。30分ぐらいで帰って来るからね』 「いってらっしゃい」 私は、今日作ったチョコを、期日指定郵便で出したのだ。 生モノじゃなければ、常温で保管してくれるらしい。 母が、玄関から出ていく音が聞こえた。 その日の和樹の顔、見たかったなぁ・・・ 私は、2月14日の和樹の顔を想像しながらにやけていた。 18時、チャイムが鳴る。 『おじゃまします。お!今日は、一段と元気そうじゃないか?』 和樹がスーツ姿で入って来た。 「いらっしゃい。予想通り過ぎて引くわぁ。 仕事終わってないんじゃないの?」 和樹の会社は17時に終わる。 そこから電車を乗り継ぎ、タクシーでここまで約1時間。 終業と同時に会社を出たのは明白だった。
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