section 1

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退屈な始業式を終えた俺は屋上に向かっていた。 少々ロマンチストになって上から桜でも見渡してやろうと思い立ったのだ。 何せ今日は雲ひとつない快晴なのだ。こんな絶好のお花見日和はないだろう。 階段を登り切り、屋上の少し重い金属製の扉を開ける。 フワッと桜の花弁と共に春の空気が入り込む。太陽の眩しさに思わず目が眩んだ。 1歩、2歩踏み出してフッと柵の方に目をやると、どうやら先客が居たようだ。 晴天と桜を独り占めに来たんだけどなぁ……。残念だ。
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