section 1

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「僕は、ただ、ただ」 またポロポロと泣き出した。 「……いや、だから!泣くなって!!……なんかあったのか?」 「なにもない」 俺にどーしろって!! まだポロポロと泣いている。 とりあえず、仕方がないので頭をワシワシ撫でてみた。多分、男を慰める手段としては不正解だ。 「……だち」 「ん?」 ワシワシされたままの彼はぽそりと何か呟いた。 「と、友達が欲しい」 そう言って、俺の顔をジッと見てきた。 意外とテンパってた俺は本来の意味を汲み取れず訳のわからない返事をした。 「え?一緒に、探せば良いのか?」 「そういうことじゃない」 ……だよな。
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