第7話

続き

　
　私の知ってるどんなカップルも、どんな夫婦であっても、私とマスターを当てはめて投影し想像が出来ない。

　それが、私のマスターへの気持ちが、今以上に盛り上がらない理由かも。

　あの人に抱き締められ、盛り上がった気持ちが最高潮で、それ以上には行かないんだ。

　最高潮まで達すると、私自身で止めてしまう。

　奥さんの存在があって、私たちの恋愛関係を想像出来ない事によって。

「そうなると、一生このままかな……」

　マスターには、聞こえないように呟いた。

　その時、岡田さんと話していたカップルが帰って行く。岡田さんの話しを、二人は信じなかったのかもしれない。

　何を話したのかは知らないけれど。

　きっと、いつものように嘘の職歴を明かし、恋愛相談でもしたのだろうけど。

　そんな岡田さんが、私たちに目を向けた。