続き

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           four    岡田さんは、私を見付けると小走りに駆け寄ってくる。  そして、こんな事を言い出した。 「彼氏と、別れたそうだな」  聞いてたんだ。話しを聞いてたっていうか、ああしてカップルと話しながら、よく私の話しまで聞こえていたよね。  しかも、カップルと私の間では、楓と屯田林くんが別の話しをしていた。  私の話し以外を雑音とすると、何種類かそれがあった筈なのに、それを聞き分けていた事になる。こうなってくると、地獄耳を通り越して超能力にすら思えてくる。  それとも、絶対音感の持ち主?  絶対音感があったら、聞き分けられるか知らないけど。  そんな下らない発想をしつつも、岡田さんの問いに答える事にする。 「はい、まぁ、そうなりました」 「その割りには、落ち込んでないようだな」 「別れたいと思ってたんですから、落ち込んだりなんてしませんよ」
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