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思わず、楓に聞いちゃった。
「ねぇ、嘘でしょ?」
「…………」
「上手く隠してたつもりだったようだが、俺からしたら何も隠せて無かったぜ」
岡田さんが、得意げにそんな事を言う中、楓はやっぱり何も言わない。
何だって、そんな事をこのタイミングで言い出すかな。楓の隣で、屯田林くんが状況を飲み込めないのかオロオロしてる。
屯田林くんは、知らなかったのかな。
それとも、その事実は知ってたけど、岡田さんが言い出した事に驚いてるのかな。
そんなことを考えながらも、今までの事が頭の中で思い返されてくる。
楓は、大学入学してから一度も彼氏を作らず、男子からの告白を断っていた。実際のところは、高校三年の頃からだったけど。
勇人や屯田林くんと出会った頃、その理由について考えた事がある。
誰かを、一途に思ってるからじゃないかと。
それが、勇人だったって事?
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