続き

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   楓と勇人は、同じ高校の同級生だった。  それまでの奔放な恋愛のせいで、その当時の楓はクラスで孤立していたという。孤立というか、ほとんどイジメ状態だったのだろう。  そんな中で、唯一普通に接してくれたのは、勇人ただ一人だったそう。  考えてみれば、そんな楓が勇人に恋しちゃっても、不思議は無いように思える。  その時の勇人に、彼女がいたとしても。 「えっ、これって……」  そんな風に考えた瞬間に、色々な楓の様子が頭の中に蘇ってきた。  私と楓、勇人と屯田林くん。  この四人が出会った時から、楓の行動には不自然な事がいくつかあったように思う。  そう、私たちの出会いからして、不自然だったんだから。  楓は、彼氏を作りたがらなかった。  それが、私を誘って合コンに参加した事自体、どう考えたって楓らしくない。  まぁ、その時の私は一矢との事があった。
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