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「信じるとか、信じないじゃないんだ。そうされるかもしれないって事に、怖さがあったんだ」
「何、それ……」
「人じゃないんだよ、人がする行為が怖いんだ」
つまり、相手が誰であろうと同じなんだ。
勇人にしてみれば、知沙って娘にフラれた事が大きくて、その時と同じ事をされる事を恐れた。
だから、この一年もの間は彼女を作らなかった。それでいて、自分の思い通りになる彼女を望んでいた。
そんな時、私が目の前に現れる。
私の気持ちや、私への気持ちなんか関係ない。ただ自分と同じような境遇の女なら、気持ちを汲み取り言いなりになると考えたみたい。
最低な考え方だよ……
自分が逆の立場に立ったらなんて、少しも考えもしなかったんだろう。
私だって、もう恋愛で傷付きたくは無かった。
そんな中で、自分の気持ちばかりを相手に押し付けたら、相手がどうなるか少し考えれば分かる筈。
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