続き

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  「この前は、随分と心配していましたからね」 「はい、それは私の考え過ぎでした。そのせいか最後には、勇人が少し可哀想って思っちゃったりしましたし」 「若葉さんは、本当に優しいのですね」 「別に、そんなんじゃ無いですよ。彼氏としては、今でも最低だって思ってますし」 「では、何が可哀想なのでしょう」 「何というか、あんな風な考え方しか出来なくなっちゃってた、勇人という人が可哀想だなって」 「男性としてでは無く、一人の人としてという事でしょうか」 「人としてというか、他人としてかもしれません」  冷たい言い方だけど、無関係の他人として見たならば、勇人という人は可哀想って思える。それが、直接関わるとなると、そんな事は言ってられなくなるけど。  可哀想って気持ちは、結局哀れみなのかもしれないけど。  関係が断ち切られた途端に、アカの他人のように勇人の事を哀れんでる私。
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