Page.1*日課

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プシューっという独特な音とともに、扉が開いた。 今度は、家まで歩く。 「あ、そういえば」 「ん?」 「その制服、意外とよく似合ってる」 「あ、ありがと・・・」 意外と、という言葉にとげを感じながらも、嬉しさの方が勝った。 おしゃれな西高の制服は、自分に似合ってるかどうか少し心配だったから。 その言葉は、ぐるぐると何度も頭の中を巡った。 嬉しいけど、ちょっぴり恥ずかしい。 普段はめったに褒めないくせに。 余計に嬉しく感じるのは、そのせいかもしれない。 「久しぶりに競走しよっか」 「全然運動してないし、無理だよ」 「よーい・・・ドンっ!」 私の言葉には少しも耳を傾けず、春輝は1人で勝手にスタートを切っていた。 「えっ、ちょっ、春輝!」 この前と同じような速さで、瞬く間に遠ざかっていく。 いつまでも少年の心を忘れていないというか、子どもっぽいというか。 けど、無理に大人ぶるよりも私はそっちの方が好き。 「春輝待てー!」 このままじゃ春輝に置いて行かれる。 私は春輝を追いかけた。
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