20人が本棚に入れています
本棚に追加
「よっしゃ―――!」
自分で勝手に走り出したんだから、勝つに決まってる。
しかも、ハンデがあるし。私の身長は151㎝で、春輝は178㎝。
脚の長さも、腕の長さも、圧倒的に春輝が有利。
私は、拗ねてスタスタと速足で歩く。
すると、横を歩く春輝が、私の頭をなでなで。
うまく丸め込まれている気がするけど、ツンツンし続けるのは難しい。
そして、その度に、自分が単純なんだということを思い知らされる。
お兄ちゃんにもされたことがあるそうだけど、その時は全くの逆効果だったとか。
自分でも、それはどうしてだか分からない。
もしかして、春輝だけしか効果がなかったりして。
そんなことを考えていると、いつの間にか私は春輝の家の前に。
「バイバイ」
「じゃな」
高校生活、良いスタートが切れたと思う。
これから、色々なことを頑張っていこう。
一週間後。
起きた時から、お腹と腰に痛みがあって、だるさも感じていたし、その原因もすぐに分かった。
重たい体を温かい布団の中から出して、しぶしぶ制服に着替える。
最初のコメントを投稿しよう!