Page.1*日課

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春輝に、当たっちゃった。 あんなに優しくしてくれたのに... こんなことをしてしまう自分が情けなくて仕方がなかった。 ********** 学校に来れば、授業もあるし優梨愛とも話せるので、少しは楽になると思った。 でも、そう上手くは行ってくれなかった。 痛みは増していく一方。 特に、6限の英語。 テストを受けているのに、全然集中出来ない。 ーーーー60点を下回った人は、再試とか言ってたっけ... 身体はダルいし、再試は嫌だし・・・ いろいろな感情が混ざり合って、涙が頬を伝い始める。 ぽたぽた落ちていく滴は、解答用紙の色までも変え始め、とても解答を書けそうにもない。 そんなとき。 ぽんっと、右隣の席から何かが飛んできた。 ―――――カイロ。 温かいなぁ・・・ 私が感じたのは、多分カイロの温かさとは、別のもの。 少し、痛みが和らいだ気がする。 春輝は、優しすぎる。 今朝、あんなにひどいことを言ったのに。 口をパクパクしながら、『ありがとう』を言って、涙でぬれた解答用紙とにらめっこを始めた。 放課後。 案の定、私はテストで赤点を取ってしまい、今は補習プリントと向き合い中。 再試は明日。 目の前には春輝がいて、さっきから教えてもらっている。 「なーお、聞いてる?」 痛みも朝よりは和らいでいた。 「あ、ごめん。もう一回お願いします」 「それもう五回目。いい?関係代名詞っていうのは・・・」 100点という素晴らしい点数を取った春輝は、教えるのもとても上手。 中学の時の先生より、ずっと分かりやすい。 「じゃあ、『先生は子どもたちがグラウンドで走るのを見ていた』これは?」 「うーんと・・・」 ありがたいことに、これは並べ替える問題。 関係代名詞は、その人物や物などの補足説明を行う役割を果たすから...
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