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「いいよ、気にしてないから。俺もさ、しつこかったなーって思ってさ。ごめんな」
「ううん、嬉しかった」
結局は、お互い様か。
私の言葉にいまいちピンと来なかった春輝は、不思議そうな顔をしているけれど、私は胸のモヤが無くなってスッキリしていた。
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「優梨愛おはよー」
「あ、奈緒来た」
「今日平日だよ?」
「そうじゃなくて、昨日体調悪そうだったから、大丈夫かなって思って」
「もう大丈夫」
優梨愛はくりっとした目を細めて笑った。
いつ見ても、優梨愛の笑顔には癒される。
天使が舞い降りて、魔法をかけられたように、ふわっとした空気に包まれる。
「奈緒ちゃんおはよー」
「おはよ」
清尾くんは誰に対しても分け隔てなく接するので、友だちが多いらしい。
おかげで、仲良くなるのに時間はかからなかった。
「優梨愛も、おはよ」
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