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・・・幼なじみ。
それは、子どもの頃一緒に遊んでいた友だち・親友のこと。
でも、それが変化したらどうなるだろう。
もし、その二人のうちの一人が、異性として意識し始めたら、何かが変わってしまうのかな。
どちらかが「好き」という感情を抱いても、引き返すことは出来るのかな。
だけど、その頃の私は恋なんて知らないただの少女。
そんなことは、これっぽっちも考えてなかった。
ただ、私から声を掛けるでもなく、彼から声を掛けるでもなく、気づけば隣にいる。
毎日のように繰り返されるそれが、いつしか当たり前になっていて。
その関係のまま、いつかお互い恋をして、恋人ができて、そんな風にして変わっていくものだと思っていた。
私たちは、友だちでもなければ、友だち以上恋人未満なんて、漫画やドラマに出てくるようなややこしい関係でもない。
ただの、幼なじみ。
毎日同じ道を歩いて、時には大声で笑ったりする近所の同い年の子。
そんな、“ただの幼なじみ”が壊れかけているのを、私はまだ知らなかった。
春。桜。新たな出会い。
これは、遅咲きの桜が連れてきた、淡くて儚い恋の物語。
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