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「気を付け、礼」
先生に礼をしたと同時に、春輝は机を寄せてきた。
その際に、ふわっと何かが香った。
この匂い、懐かしい。
その効果が出たのか、始まって何分かはぱっちりと目を開けていられた。
・・・何分かは。
「・・・さん、首藤さん」
「・・・」
「授業中ですよ」
その声で、今まで自分がしていたことに気付く。
いつの間に眠ってたんだろう。
平常点下げられちゃった・・・
すっかり凹んでいると、横からシャーペンがのびて、ノートに文字を書き始めた。
シャーペンが歩くのを目で追っていると、『ばーか』の文字が現れた。
『なんで・・・』
シャーペンを動かし始めたけど、ハッとしてそこまでで書くのをやめた。
いくら何でも、注意された原因を人に押し付けるのは情けない。
春輝は、いつも授業をちゃんと聞いてる。
寝てるところなんて、見たことがない。
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