Page.2 *きっかけ

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「気を付け、礼」 先生に礼をしたと同時に、春輝は机を寄せてきた。 その際に、ふわっと何かが香った。 この匂い、懐かしい。 その効果が出たのか、始まって何分かはぱっちりと目を開けていられた。 ・・・何分かは。 「・・・さん、首藤さん」 「・・・」 「授業中ですよ」 その声で、今まで自分がしていたことに気付く。 いつの間に眠ってたんだろう。 平常点下げられちゃった・・・ すっかり凹んでいると、横からシャーペンがのびて、ノートに文字を書き始めた。 シャーペンが歩くのを目で追っていると、『ばーか』の文字が現れた。 『なんで・・・』 シャーペンを動かし始めたけど、ハッとしてそこまでで書くのをやめた。 いくら何でも、注意された原因を人に押し付けるのは情けない。 春輝は、いつも授業をちゃんと聞いてる。 寝てるところなんて、見たことがない。
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