Page.2 *きっかけ

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・・・はずだった。 あれ? 寝てる? その時ちょうど、ばっちり先生と目が合った。 私を見ているかと思えば、その視線はゆっくりと春輝へと移っていく。 「春輝! 春輝!」 腕をつつくと、ハッとしたように起き上がった。 『自分だって人のこと言えないくせに』 さっきの続きに、そう書き足した。 すると、私のノートにも黒文字が書き出されていく。 『ありがと』 私は、思わず横を見た。 ありがと、なんて言っちゃって。 少しは可愛いところが残ってる。 「はい、今日はここまで」 あれ? もう、終わったの? てことは私、授業の半分以上を睡眠時間に費やしちゃったんだ! ********** 授業後は、幸い、先生には呼び止められずに済んだので一安心。 今は、電車を降りて家まで歩いている。 「・・・」 「...」 喋ってないと、なんだか落ち着かないな。 でも、これといった話題もないし。 春輝も、何も喋らないなんて珍しい。 「ねえ、春輝」 「うん?」 「私のこと、どう思ってる?」
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