Page.2 *きっかけ

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自分でも気付かないうちに、その気持ちが募って、勝手に溢れ出した。 私は、どうしようもないバカだな。 呆れちゃう。 今更気付いたところで、明日からどう接していいのか分からないし。 「あーあ・・・」 明日、春輝と普通に話せる自信がないや。 ********** 「奈緒?」 「・・・」 「おーい」 「え? あ、なに?」 「おはよ」 私、どうやってここまで来たんだろ。 自分の足で歩いたんだっけ。 今日は、春輝のとこに行かなかったんだっけ。 「おはよ・・・」 今すぐにでも、ここから居なくなってしまいたい。 誰にも会いたくない。 どうしようもない表情をした顔を、人に見られたくない。 「ねぇ」 「え・・・」 「なんで俺と目合わそうとしないの?」 下を向きながら春輝の方を見ようとした時。 ぐいっと腰を屈めた(かがめた)春輝は、下から覗き込むように私を見ていた。 どうしよう・・・ 見つめられると、どうしても泣きそうになる。 ・・・やだ、見ないで。 「ねぇ、なんで?」 そう言った春輝は、私の頬を大きな両手で包み込んだ。
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