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結局、何をしていたのかすら忘れてしまうくらい、一日をボーッとして過ごしていた。
授業も、優梨愛と話している時も。
耳に入ってきた言葉は留まることを知らずに、ひたすら流れていくだけ。
「・・・私、何してんだろ」
何が原因でこうなったんだっけ。
―――――好きだよ
あのまま嘘を貫き通してたら、普段通りの私でいられたのかな。
自分の気持ちを自覚した途端、この調子。
誰かのせいではなく、自分のせい。
勝手に舞い上がって、バカみたいだ。
「・・・うっ、うっ・・・・・・」
本当は、春輝の前で素直になれない心に、ずっとイラついてたんだ。
漫画とか、小説みたいな可愛い女の子になりたいのに。
強い口調で言葉を放ちそうになる自分を、必死に抑えていた涙が、溢れ出した。
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