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そう意気込んではみたものの、こういうのは初めてだから何をすればいいか分からない。
「普通にしてればいいの」
なんて優梨愛は言っていたけど、その『普通』というものが私にはできそうにない。
席は隣だから嫌でも目に付くし、私の視線の先にはいつだって春輝が映っているような気がする。
でも、目が合ったり、話しかけてくれるとすごく嬉しくなる。
胸がドキドキして、一日分の運を使い果たしたような感じ。
・・・あ、そう言えば。
春輝の女子から追いかけられた件はどうなったんだろ。
そもそも、なんで追いかける?
・・・もしかしての、もしかして?・・・・・・
ぼんやりとそんなことを考えてると、
「奈緒ー」
こちらの気も知らず、まさかのご本人登場。
予想してなかった展開に、心臓は春輝に聞こえそうなくらい高鳴り始めて、並行して体温が急上昇するのも感じた。
「なにー」
「放課後、ちょっと良い?」
あ!? 放課後だって!?
放課後って、いやまさか、ね・・・
いやいや、そのまさかのまさかなんてことも・・・
「いいよー」
放課後という単語に舞い上がっているのを悟られないように、何でもないふりをして返事をした。
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