Page.3 *恋する気持ち

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***** 「奈緒バイバイ」 「またねー」 遂に来ました。放課後。 心なしか、さっきからそわそわして変な感じ。 冷静に。冷静に。平常心。平常心。 「じゃあ奈緒、頼むね」 「何を?」 「これ」 そう言うと、春輝は大量のプリントと二つのホッチキスを差し出した。 ん?これは、何かな? 期待した私がバカだった。 だいたい、春輝が私にそんな事を言うはずがない。 結局は、頼まれた雑用を手伝えってことか。 「手伝って?」 「アイス」 「あいす?」 「後で」 「はいはい」 でも、これって春輝と一緒にいられるってことだ。 ちょっと、ていうかだいぶん嬉しいかも。 春輝は、私の好きな人なのか。 春輝は、好きな人はいないのかな。 「春輝は好きな人とかいないの?」 「さあ、どうかな」 「真面目に聞いてるんですけど?」 「いるよ」 「え?」 「好きな人、いるよ」 そっか。・・・そっか。 春輝も、大人になっていくんだ。 好きな人聞いたの、失敗だったかも。 ちょっと、今泣いてしまいそう。 「奈緒?」 「その人ってさ、どんな人?かわいい人?綺麗な人?それとも・・・」 「もう止めよ」 「え?」 「ごめん、やっぱ一人でやるわ。先生が資料作りとか言うから、もっと多いのかと思ったけど、意外と少なかったから」 ほら、やっぱり。 話すこと、間違えちゃった。 「うん、わかった。先に帰るね」
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