Page.3 *恋する気持ち

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無理に明るくしようとして、頑張ってたのがバレバレだったんだと思う。 カッコ悪い。 こういうのを、切ないって言うんだっけ。 うつむきながら歩いていると、私は時間を忘れてしまうみたい。 駅は、もう目の前だった。 学生、いっぱいいる。 カップルと思しき人たちも、何組かいる。 お互いを見つめ合って、二人とも幸せそうで。 付き合う、か・・・ 私は、春輝とどうなりたいんだろう。 そこで初めて、自分の中で、好き=付き合う という方程式が出来上がってないことに気付いた。 そんなことは、家でゆっくり考えよう。 バックに入っている定期を探していた時だった。 <ヴー、ヴー・・・> 携帯が振動し始めた。 「もしもし」 『奈緒? 俺だけど・・・』 「・・・うん」 電話口から聞こえてきたのは、春輝の声だった。 少し、大人の男の声に聞こえる。 『今どこ?』 「駅」 『ちょっと待ってて』 「え?」 「電車乗らないで、ちょっと待ってて」 声を聞いただけで、こんなにも胸が躍る。 すぐそこにいるような気がして、たまらなく嬉しくなった。 「2番乗り場」 『わかった』 やっぱり、好きだな・・・ 春輝のこと、大好きだ。 待ってて、なんて言われて、帰るはずがない。 私はすぐそこのベンチに腰掛けて、彼が来るのを待った。 電車の風が少し冷たいけど、そんなのは全く苦痛にならなかった。
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