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お茶を入れ終わって、盆に載せて戻ると…
イケメンが素知らぬ顔で俺のケータイをいじっていた。
………。
まあ、いっか。
見られても困るようなもんないし。
「うわー…田中君のケータイなーんもなーい。
つまんないね」
あ、前言撤回。
人の口から聞くとムカつく。あと虚しくなってきた。
「人の勝手に見ないでください。
プライバシーの侵害ですよ」
「えーいいじゃん、見たって。
それにデータなーんもないし。メアド件数5つだし。
何気に敬語だね」
盆をとりあえずテーブルに置いた俺は、
寝っ転がっている千歳に怒りをぶつける。
男子高校生の体重平均に踏まれた哀れな千歳は
ふぐっと潰れた声を漏らした。
「…地味に傷をえぐらないでほしいですね、うるさいです。
尊敬語なのは気にしないでください」
まったくもう。
メアドの数のなさを考えずに過ごしていたのに…。
何なんだ…この人は。
まあ、確かに件数が5つってのは
少ないと思うけど………んん?
5つ?今俺5つって言った?
?!
あれ?俺のメアド3つしか無かったはずだが??!
「あ。僕のメアドとキャバク○のメアド入れといたよ。
これで少しは寂しいホルダーが賑やかになるね!」
爽やかな顔でしれっと物凄い事言われたような。
しかもうん?キャバク○??
何でそんなもん俺のフォルダーに登録した???
あっ…
俺にやる相手がいないからなくなく処理をしてる
その行為の気遣いか?哀れみか?
余計なお世話だ!!こんにゃろう!!!
悪いか!万年童貞で!!
女性経験が豊富?そうな千歳の腹に
さらに足をめり込ませる。
何処かにきまったのか、さらに苦しそうにする千歳。
ほんとなら目の前で微笑む男もこんな風にしたいものだが
あいにく俺の体は一つしかないので、
千歳の相手だけでいっぱいだ。
クソォ…イケメンマジ滅べ!!!
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