第1章:俺の殴りたい田中はこの中に一人いる

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# 田中 心が走って行ったあと、 路地裏から悲鳴がギャアギャア… よおーく聞いてみるとどれも声が違う悲鳴。 さらに、肉が潰れたり、弾いたり、飛び散ったりと、 打撃音みたいな音とともに聞こえた。 しばらくして、悲鳴や罵声は聞こえなくなり あたりはシーンと静かな平日の朝になった。 穏やかな朝だな、鳥の囀りが聞こえる日常的な音だぜっ と思うが視覚的に穏やかじゃなかった。 静かに路地裏から一人、長身の男が出てきた。 長身の男………彼は、色んな意味でヤバかった。 彼の顔はこの世の人間じゃないような 精密的で綺麗に整えられており、 切れ長の目からでる眼光は冷たく美しかった。 白い肌に合わせたような艶やかな白い髪は自由に跳ね、 気だるそうな顔にとても合っている。 それだけなら、お色気Maxのテライケメンに見えたのだか、 白い肌が際だせる顔についた真っ赤な赤い液体のおかげで 危険な人間に昇格させた。 真っ赤な液体は彼が着ている白いシャツにもスラックスにも べったりとついており、まるで肉をめった刺しした後の ような感じになっている。 …まあ、はい。真っ赤な液体の正体は。 下僕のような舎弟ではないけど彼の下につく不良達の 鮮血ですね。 何があったのか知らないけどドンマイ。 彼、全身真っ赤な男の名前は汕崎 徑瑠(サンザキ ミチル)。 驚異的な美しい容姿と力、頭脳を持ち、 心が通う鰰鍋学園の一人の生徒であり、 そして、 その学園の不良の頂点に立つ男である。 学園では彼の存在を知らない物はいなく、 先輩の三年や二年を尻に轢き 乱暴に扱うことでも有名。 喧嘩は全勝零敗。 負けたところは一回も見られることなく、 わずか数日で頂点にたったと言われている。 喧嘩だけではなく、人間離れした美貌でも有名だ。 不良だが、一般女子や他校の女子にもファンが大勢いる。 そんな彼を真っ赤にべッタベタにした犯人は まぎれもなく心だろう。 心自信なにやらかしたかも知らないし、 彼も誰がゴミ箱をけっ飛ばしゴミを自分に撒き散らしたのか 分からない。 ひとまず、周りにいた人だと思った彼は手当たり次第に 殴り倒してフルボッコ☆
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