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ー邂逅ー
「お前--リュオン--?」
出逢って、一目で識(わか)った。
どことなく、面影がある。
だからつい、口からその名前が出ちまった。
「え--?僕を、僕のことを知っているの??」
その名前で呼び掛けられた少年は、当然の疑問を俺に返した。
「--知らない--」
事実だ。俺はお前が、いつ、どこで生まれたかなんて、全く、識らないんだ。
「どうして!?さっき僕のことをリュオンって、、」
「知らねえよ!勝手に口から出ちまったんだ!」
「教えてよ!僕は一体何物なのか、どうしてこんな所をさ迷っているのか、全然識らないんだ!!」
..全く、すぐ抗議するところなんかあいつにそっくりだな。流石に名付け親だ--。
そう、リュオン。
あいつが勝手にそう決めて、勝手に捜索と保護を訴えたんだ。
はからずも、依頼は達成されたわけだが。
さて、どうしたものか。こいつ--リュオンを。
このRドリームに適応する戦士に仕立てあげるのが、ファイナルミッションなのか。
それともこいつを望む奴らに引き渡して、とっとと夢放棄するか?
考えあぐねる間もなく、[悪夢〕は俺たちを囲み込んだ。そしてそいつらを容赦なく二人で倒しまくる!リュオンは 適正 も充分だった。
..あいつの悲しい顔が、意識の中を横切り...
消えた。
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