4人が本棚に入れています
本棚に追加
--彼は、その場からゆっくりと立ち上がり俺に近づく。
「私は、アブドル=アリ=アーメッドです。」
--その男声色の人物は、頭に布(ターバン)をしっかりと巻き付け、服は軽微に動きまわるには丁度いい丈をした全身が褐色の人物だった。差し向かいになれば、彼が俺よりもはるかに身長があり、体格もよりしっかりしていることが識かる。
「そして、私はクレイン=ウィリディス..よろしくね、ホクト」
--クレイン、金髪の長い髪が波打つ、色白の美しい女性だ。完璧ともいえるモデル体型で、立ち姿も様になってる。
彼女の衣装も軽微でかつ、幻想的な人目を惹き付ける不思議な着衣をしていた。
俺を助け起こした後、身体を離した彼女は、アブドルに添うように俺の前に並んだ。
--俺はちょっと、アブドルに嫉妬した。
その様子に、アブドルはやれやれといった表情を見せる。
「さて、自己紹介も終わった所で早速ですが…ホクト、今ここがどんな所で、どんな理由で貴方を呼び出したか。少しずつお話しようと思います。少しばかり長くなりそうなので、彼と私と、時に他の仲間達で少しずつ。受け取って貰えますか?」
--クレインは、急に神妙な顔になり俺にそう語りかけた。
「クレイン様…」
--アブドルは、性急では?という表情でクレインを見たが、俺もそれは知りたかった。早く続きを--
--ズズズズズドン!!!
--!!地震!!?さっきまでなんともなかったのに、なんでいきなり???
--ビュオォオォオォオォオ~!--
間髪入れずに突風が、俺たちのいたテントの布を巻き上げていく。
「アブドル!」
--クレインが叫ぶと、アブドルは俺とクレインを庇うように立ち憚り、指笛をならすと、腰にある湾曲した刃の剣を抜き目の前に曝した。クレインは俺を庇いながら、適当な大きさの岩影に移動する。
俺はまだ、訳の識らない状況に頭がぐらぐらしてきた。
「識らなくていいのよ、少なくとも、今は。その内に嫌というほど思いしる…。」
--そう言って彼女…クレインは唇を噛みしめた。..泣いているのか?それともこの突風で目が開けられないせい??
「クレイン…」
--クレインは、はっとして俺の事を見て、大丈夫よという微笑みを見せた。
最初のコメントを投稿しよう!