なんでも屋

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色々考えてからふと我にかえり周りを見渡した。 右、左、前、後ろ、どこを見ても見たことのないビル、ビル、ビル。 どうやら道に迷ってしまったみたいだ。 何か見たことのある所があるかもしれないと少し歩きながら手がかりを探していると、ふとある看板が目に入った。 「な…でも屋?」 思わず声に出して読んでしまった。 『ん』という文字はかすれてしまって読めないが、おそらくはなんでも屋と書いてあるのだろう。 その看板の下にある店は今にも壊れそうで、いかにも怪しい。 こういう店には関わらない方がいいと直感が言っていたので、そっとその場所を離れようとした時、中から老人の声が聞こえてきた。 「何か困ったことがあるのかい?」 僕はその場から動けなかった。 「困った事があるのなら相談においで」 何かに吸い寄せられるように僕はその怪しい店の中に入っていった。
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