第12章 白昼夢

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「分かってますよ」 エレベーターに乗り込むまで3人を見送って 「さて」 バッカス一の曲者は にっこりと笑う。 「やっと2人きりになれたね、ミイちゃん」 「な、なんですか……それっ」 人目もはばからず事務所の入り口で 僕の肩を抱く。 「ていうか、みんな見てますよっ……」 「あたりまえじゃない、君の相手――僕だよ?」 もう何度も経験してるけど慣れない。 バッカスの初瀬心として装った時の彼は 本当に自信たっぷり。 眼鏡にジャージ姿でゲームばかりしてる 寮で見るオタク青年とは別人だ。
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