第2話魔王と魔導士の胸騒ぎ

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「魔王は如何なる魔王でも、邪悪なる者……それを仲間だと思うわけ無いでしょう?」 宙に浮かびながら、神は光の魔法で作り出した光球を無数に出現させた。 「魔王は滅ぶべき者……」 槍を構え天使は冷たく魔王に言い放つ。 「……最期に聞かせてくれ……我は……お前達にとって何だったのだ?」 皆から残酷な言葉を言われ、心に深い傷を負いながらも魔王は涙を流しながら尋ねる。 「利用価値があった悪魔」 「偽善者見たいな所がムカついていた」 「悪魔の癖に神よりも優しいなんて認めたくない」 「今も昔も目障りな存在だったよ」 「簡単に信じて騙しやすい馬鹿だった」 勇者、悪魔、神、天使、エルフは口々に答えた。 「……そうか……」 信じていた仲間に利用されていたと分かり、傷付いて胸が苦しくなり魔王は涙を流した。 次の瞬間、無抵抗の魔王に勇者の斬激、悪魔の衝撃波、神の光球、エルフの弓矢、天使の白魔法に寄る攻撃が襲う。 「っ……!!」 ラゼルの目の前で、勇者一行が居る部屋が魔法で吹き飛んだ。 「魔王様!!」 慌てラゼルは部屋に飛び込むと、既に勇者一行の姿は無く…… 身体中痛々しい深手を負い、虫の息となった魔王が倒れていた。 ラゼルや回復魔法を駆使する魔族達のお陰で、魔王は一命をとりとめたが…… その時受けた傷は深く……永遠の命を持つ魔族の魔王でさえも…… 命を確実に縮めて行き……現在の魔王は魔力と体力が弱り果てて床に伏すことが多くなっていた。 「魔王様を助けるには……この魔法しかない」 魔族達は魔王の姿を見て哀しみ、なにもできないラゼルは魔王の為に禁術を使う決断をする。
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