第3話魔王が還す魔導士の魂

2/3
前へ
/65ページ
次へ
クレイスを拘束していた木々の魔法を解くと…… セシアはクレイスを自分のマントで包み込み抱き上げ…… ドーム型にしていた木々の魔法も解いた。 雨は止んでおり、夜空には星空が広がっている。 …………偶然だと思うが……あいつに似てるな…… 眠っているクレイスに、勇者の面影が重なりセシアは複雑な表情になる。 「……帰るとしよう」 大剣を魔法で宙に浮かばせると、セシアはクレイスを抱き上げたまま森の中を歩き出す。 暫く森を歩いたあと、セシアの目の前に漆黒の教会が見えてきた。 【聖サタン教会】 セシアの魔法で造った教会で、見た目は教会だが内部は悪魔好みの造りになっており…… 悪魔が好む装飾品や調度品で溢れている。 ドアを魔法で開け、中に入れば左右に置いてあるドクロ型蝋燭全てに灯りが灯る。 礼拝堂を通り抜け、セシアは突き当たりを左に曲がれば更に奥へ真っ直ぐに進み…… バスルームに行くと、一端クレイスを横たわらせ自分の着ている服を脱げば裸になり…… クレイスを包んでいた自分のマントも取るとバスルームの中へ入る。 魔法で石鹸を泡立たせると、まずはクレイスの身体を洗ってやり…… クレイスの秘部の中も、丁寧に洗って中を綺麗にする。 その後、石鹸で自分の身体も洗うとシャワーを魔法で出して微調整しながら…… シャンプーとリンスで、クレイスと自分の髪も洗いシャワーで泡を洗い落とした。 そして、クレイスを抱き上げ風呂へと入る。 …………傷は時間が経っても消えぬものだな。 セシアの上半身は、浅黒く色が変わり焼け焦げた跡や無惨に斬られた傷が至る所に残っていた。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加