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連休の2日目、3日目は、全く予定が入らず趣味に明け暮れ、おかげで1着のスカートが仕上がった。
「たまには、こういう休みもいいわね。」
真新しいスカートを試着して、冬華は充実感で気持ちが盛り上がっていた。
「明日の出勤に着て行こうかな。」
その場で、くるりと回ってみた。
膝丈で、淡い青紫に黒い細ストライプ柄のフレアスカートは、部屋の中の風がない状態でも、ヒラリと舞った。
翌朝、綺麗にアイロンがけしたスカートを薄水色のブラウスとコーディネートして、冬華は気持ちよく、家を出た。
冬華にとって、月曜日はブルーマンデーなどではない。
逆に、愛する白井に逢える気持ちで幸福感さえあった。
「おはようございます。」
「おはよう。今日は雰囲気が違ってみえるね。」
思ったとおり白井は、冬華が着たことのないフレアスカート姿に気付いた様子だった。
冬華は、嬉しくてたまらない。
「スカート、手作りなんですよ。」
「すごいね、咲本さん。服も作れるんだね。」
白井も、職場では当然ながら、馴れ馴れしく冬華とは呼ばない。
冬華には、そんな二人だけの秘密を感じさせる状況が悦びだった。
清々しい気分で、一週間のスタートを切った冬華は、お茶当番の仕事に取り掛かった。
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