第1章

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数日後、社内人事異動者の名簿に、白井の氏名はなかった。  しかし、めでたいことに課内で、係長から課長へと昇進を命ぜられていた。  「白井さん、おめでとうございます!!」  皆から祝福を受ける白井だった。  冬華も、自然と笑みが浮かんだ。  ルックスまあまあ、仕事も出来る男性…この人は独り占めは出来ないけど、私の彼なんだと思うと、自分さえも格上げされた気がする冬華であった。  勤務時間終了後は、やはり例のごとく祝宴が開かれたが、翌日は平日ということで、早めのお開きとなった。  白井は、もちろん冬華ともう少し、同じ時間を過ごしたかったのだが、流石に辞令を受けた当日なので、家族のもとへ急いで帰宅せざるを得なかった。  冬華は、また彼の家族へ嫉妬し、自分が独り身であることを感じずにはいられなかった。
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