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仕方なく帰宅した冬華は、つまんなそうにただ、ぼんやりとソファに腰かけていた。
そんな時間を十数分過ごしたか否か、携帯電話が鳴った。
着信の名を確認すると、啓斗だった…。
冬華は、啓斗とはもう会わないつもりでいたが、寂しさのあまり、心に迷いが出てしまい、危うく受信するところだった。
そのうち、着信音は止まった。
「啓斗…ほんとは会いたいよぉ…。」
ひとりごとを言いながら、クッションに顔を埋める冬華だった。
しかし、それから1分も経たないうちに、再度、ベルが鳴った。
今度はすぐに電話を受け、
「啓斗?」
「…。」
電話の相手は、友博であった。
「冬華さん…。」
「あ、芳川さん…。」
「冬華さん、まだ啓斗さんと付き合っているんですね。」
「え?あ、いえ…。」
冬華と啓斗の関係は、友博も周知のことだった。
知っていて、いや、知っていたからかも知れない、友博が冬華に猛烈にアタックしていたのは…。
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