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一人になった部屋で、冬華は気が抜けたようにソファに横たわった。
(やっと諦められそうなのに、なんで今頃、啓斗は私のもとに来るの?)
(啓斗のこと、本当に愛してた…。けど、いま私は、白井さんのもの…。)
(今更、啓斗に全身で向き合える自信がない…。)
(白井さん、芳川さんの前であんなこと言うなんて、やっぱり冷たい人…。私、白井さんとのこと、終わらせた方がいいのかな…。でも、上司だし、出来るんだろか…。)
実のところ冬華は、白井に遊ばれているのは事実だし、彼は冷たいところのある人間だから、抱かれた後に後悔することも少なくなかった。
何も好き好んで、不倫をしているのではないのだから…。
冬華は立ち上がると、寂しく梅酒をゆっくりと1杯飲み、眠りに就いた。
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