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「冬華さん、僕はあなたを守りたい。あなたを苦しめる全ての事から。」
「…芳川さん…私はそんな立派な人間じゃないって、分かっているでしょう…?どんどん、汚れていってしまっているのよ…。あなたには他に、素敵な人が見つかるわ…。」
「僕は、あなたがいい。」
「私には勿体ない…。」
そう言ったところで、玄関のインターホンが鳴った。
「ちょっと、待って…。」
ドアを開けると、啓斗であった。
「啓斗…。」
「え?芳川!!なんで?」
「冬華、どういうこと?俺と付き合ってるんじゃないの?」
「違うの、啓斗。芳川さんは倒れた私を助けてくれただけなの。」
「啓斗さん、ちょうど良いからハッキリさせましょう。」
「なんだよ。」
「二人とも、やめようよ。」
「冬華、俺たち付き合ってるんだって、言ってやれよ。」
「啓斗さん、調子良すぎますよ。こずえさんに振られたからって、冬華さんが自分の彼女と決まったようなこと言うなんて。」
「違うのかよ。冬華、どうなんだ?」
「あ…あの…啓斗…ごめん。私、あなたと付き合っていく自信がないの…。」
「は?そうなのか?だからって、すぐに芳川に鞍替えかよ!」
啓斗がそう言うか言わないうちに、芳川の拳が啓斗の右頬を殴っていた。
「きゃあ!!やめて!」
冬華は思わず、啓斗を抱き起こしていた。
「冬華さん…。」
「芳川さん、ごめんね…。私、もう何が何だか、訳が分からないよ…。」
「2人とも、申し訳ないけど…今日のところは帰ってもらえるかな?」
2人が出て行った1人きりの部屋で、冬華は、何の気力もなく茫然としていた。
が、それから時間が過ぎて・・・。
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