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(僕をめでたく解放してくれたら、面白いものをみせてあげられるよ。どうだい? 君の力を使ってこれを解いてくれ)
ゆさゆさと体を揺すって外してくれとアピールしてくれるが、俺にコレを外す力はあるだろうか?
(難しい顔してないで、やってみなよ。まずは鎖を両手で掴んでみる)
言われた通り、渋々と掴んでみた。
(次に目を閉じて、一心に念じるんだ。鎖が千切れるように。バラバラに砕け散るイメージでもいい)
母さんよりも分かりやすい指導に頷きながら、心の中で念じてみる。
「砕け散る……。鎖がキレイに砕け散ってなくなってしまう」
持っていた鎖がフニャっと柔らかくなった手ごたえを感じ、目を開けてそれを見てみた。
(ああ……君のもつ力が膨大すぎて、制御できないのか。凄いな……。そのまま左右に引っ張ってごらん)
飴細工のように柔らなくなった鎖が、びろーんと伸びてから力なく千切れる。自分がイメージした通りにならなくて、正直不満だ。
(……やっと自由になった。はーっ、空気が美味しい)
鎖から解放された幽霊は、呑気に大きな伸びをしている。
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