視覚

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 暗がりの中で揺らめいている  瞳の奥をじっと覗きこんでも  落ちた水滴を頼りにしないと  曖昧に写り込む私が見えない  虚空を弾いてきらめいている  不意に暴かれる文字面の煩い  君だけが解る問いかけを前に  自分は無力だと信じ込みたい  悪意だけを募らせて遮断した  君の視界が全てになればいい  不鮮明な足元を正しく導いて  真実を見る為に両眼を塞いだ
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