第1章

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「優里亜」は中学の時の友達で、佐奈も知っていた。 友達と言っても、佐奈ほど頻繁に連絡を取り合うような間柄ではなかったが、仲は良かった。 「優里亜・・・何で?」 涙が溢れてきた。 (優里亜が亮を紹介してくれて、私と亮が付き合う事になったはずなのに・・・) 頭の中は大混乱していた。 そして・・・。 私は、無意識に身を潜めていたパンコーナーから出入口まで走り出し、佐奈が呼んだ事にも全く気付かず・・・ キキーッ!!ドンッ!! ・・・こんな変な音がした事だけは覚えている。 「・・・みすず!美鈴!」 (誰かが私を呼んでる・・・) 「美鈴!」 「・・・さ・・・な・・・?」 「・・・バカ!!何やってんの!!」 「え・・・私・・・?」 「ちょっと~危ないですよ~!いきなり飛び出しちゃ!!」 「あ・・・え・・・?す・・・すみません・・・」 「とりあえず、病院行こ!!」 「もう飛び出しちゃダメですよ~」 と言って、車の運転手は去って行った。
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