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あまり思い出したくもない名前だった。
そのくらい、いい思い出がない。
連絡も、着信拒否にして、メールも受信拒否にした。
(もう私は今更話す事なんて何もないんだけどな・・・)
そんな事をぼんやりと考えていた。
「ね~!ちょっと学校内を少し探検しよーよ!ねっ!?ね~!?」
佐奈なりの気遣いだった。
正直、あんまり乗り気じゃなかったけど、気遣ってくれているのが分かって、
「そうだね。そうしよっか。」
と返事をして、とりあえず教室から出る事にした。
ハーフっぽい感じの人は、走ってきた女の人と、他の男の人と談笑していた。
半分はハープっぽい感じの「こーきさん」、あと半分は「亮」の事で頭の中がいっぱいになっていた。
佐奈と廊下に出ると、まだ少し寒さがあった。
「広~!!奥にどんだけ教室あるんだろ~!?」
本当にかなり広かった。
佐奈はクルクル踊るようにしながら、
「こんな感じで歩いたりしてても、人が避けてくれそうだよねー!」
なんて会話をしながら、ゆっくりと廊下を歩いていた。
「あ・・・佐奈・・・何か前から人が・・・。」
「えっ!?」
と佐奈が言った瞬間に、ぶつかってしまった。
軽くぶつかっただけだったので、佐奈は倒れずに済んだ。
「あ・・・すみませ・・・。」と佐奈が言いかけて上を向いた瞬間に、佐奈も私も言葉を失ってしまった・・・。
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