第1章

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ーーーーーーーーー  「藤谷(ふじたに)主任最近楽しそうですね!普段は全然顔に出ないのに。何か良いことでもあったんですか?」  同僚の河内(こうち)さんが皆にコーヒーを配りながら聞いてきた。  楽しそうに見えたのか!?  仕事中は何があっても顔に出さないよう気を付けていたのに。  「あぁ…まぁね。」  適当に相づちを打って仕事に集中しようとパソコンに向き直った。  しかししばらくするとまた、次はどこにいこうかと考えてしまっている自分がいた。  考え事をしながら仕事したって進まないか…  決めてしまえば集中できるだろう。  「河内さん。この辺で景色の良いところとか、落ち着く場所とか知らないか?」  「景色の良いところ…ですか?藤谷主任もしかしてカメラが趣味なんですか?」   僕は仕事中になにやってるんだ。  同僚たちの視線が痛い…  「すっ!すまない!何でもないんだ。忘れてくれ。仕事、仕事~!」  誤魔化すように伸びをしてから再びパソコンに向き合い恥ずかしさを埋めるように仕事に没頭した。
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