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――姉上、騙していてすいません。さようなら。
「――ッ!」
……また、あの夢を見た。
『存在しない自分』を成り立たせる為に兄の姿を借りながら僕を愛したアイツの最期。
『天枷』の血族に課せられた“祝(のろい)”を破棄し、自責で死んだ僕の伴侶。
「お前がどんな姿だったとしても構わないのに。お前はお前なんだから……」
どうしてあの時言ってやれなかったんだろう。
「ごめん…篝。」
今でもアイツの最期の言葉が僕を締め付けている。
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