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――僕、木原漂理がこの世界に来たのは篝が死んだ直後だった。
リ リ ス
“原罪の悪女”が組んだ下らない世界。
「………どうせ、こんな世界。幻想にしか過ぎないんだ」
朽ちた世界から寄せ集められた断片どもが過ごすだけのこんな世界。
「他人なんて信用できない。そこで身を隠してるやつもだ」
後ろで隠れる奴にも聞こえるように声をあげる。
「………バレてたのか」
そう言って姿を現したのはつい最近見掛ける様になった付喪神。
「バカじゃないんだ。それで、何の用?」
言葉に棘を含ませながら突き放す様に言えば、
「………姫夜さんからの伝言だよ」
最も不愉快な言葉が返る。
「あのイカれ女か」
吐き捨てる様に言った言葉に
「………あながち間違っちゃないけど……まぁいいや伝言だよ。『あなたも意地を張ってないで遊んだら?』だそうだよ」
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