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知った通りの言葉が紡がれる。
アイツは何を血迷っているのか『意地を張って皆と仲良くしない、なんてダメ』等と言う脳が涌いてる様な事を言ってくる。
そして、今も昔も其に返す言葉は変わらない。
「別に意地を張ってる訳じゃない。嫌いなんだよ」
「………嫌い?」
「あぁ嫌い嫌い嫌い。同じ血族のやつ以外大嫌いだ」
――僕の知る全てに在る末裔たち以外、僕を『解る』奴何て居ないんだ。
言外にそう込めて放った言葉に
「………そうは思えないんだけどなぁ?」
奇妙な返しをする付喪神。
「は?」
思わず間抜けた言葉を返してしまう僕に
「………本当に嫌いなら僕がいるとわかった瞬間に逃げたり攻撃をするはずさ」
感情が読めない顔と声音で言ってくる。
「…………」
「………まぁそれ以前になにかで頭が一杯だったらわからないけど、それなら僕に気づかないだろうしね」
押し黙った僕の神経を逆撫でる様に言葉をはくソイツに、
「………ごちゃごちゃ言うなっ!」
売り言葉に買い言葉、と反論したのがツキだったか、
「………言い争いは得意なんだろ?」
更に癪に触る事を云いやがる。
「うるさい黙れ黙れ黙れ。僕はお前なんかと話すつもりはないんだ。帰れ」
「………わかった。帰る。けど明日も来るよ」
そう告げ、手の内に『死』を掻き集め出すと漸く引き返していく。
「なんなんだあいつは。気持ち悪い」
この世界に来てから調子が狂う。
今まで知っていた事がどんどん変わっていく。
「チッ…面倒臭いな…」
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