22.迷い込んだ場所 

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全国大会の後……突然の雨に降られて、 その光に誘われて辿りついたのは幕末。 夢だから……夢だから、言ってていいよね。 本当のこと。 「えっ?  瑠花と舞と一緒に幕末までトラベルツアー」 冗談めかして告げた言葉。 何時ものように、『何言ってんだよ。花桜』なんて 敬里は笑い飛ばしながら突っ込んでくれると思ってたのに、 目の前のアイツは、じーっと私を睨みつけたまま。 「やっぱ、お前熱で頭イカレタ?  オレ……マジ心配したんだぜ。  雨ん中、道路で熱だしてぶっ倒れてるお前見つけて。  しかもあんなとこで何やってんだよ」 えっ? 何? 私の願望が見せる、ひと時の夢じゃないの? 布団の中から手を出して、古典的ながら抓った頬は しっかりと痛みを伝える。 夢じゃないの? 「人が真面目に話してんのに何ふざけてんだよ。  頬抓って。  今の文明のレベルでタイムトラベルなんて出来るはず  ねぇだろ。  花桜はもう少し休んでな。  祖父ちゃんには、まだ稽古は無理だって言っといてやるよ」 それだけ一方的に聞き終わると、敬里は、 私の部屋を出て行った。
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