第1章

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『‥‥クス‥‥』 啜り泣く声が少しだけ笑ったのがわかった俺は 「‥あー‥もう。 ‥俺も普通じゃねーんだ。 たぶん、今日は」 窓に体重を任せて少し投げやりに話す。 『‥‥たぶんって‥ふふ』 彼女は甘い声で笑った。 泣いてた彼女がくだらない会話で苦しそうな声から笑いが漏れて大きく深呼吸したのが電話越しにわかった。 『私‥もね。 たぶん、‥可笑しいんです』 ‥‥はは。 それってお互い可笑しいって事だよな? 「確かにただの間違い電話でこんなに話をするなんてありえねーな」 そう言って呆れたように俺が笑えば、彼女は再度小さく笑う。 『はい‥』
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