第1章

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俺はゆっくり椅子から立ち上がりオフィスの窓側に歩み寄る。 外は車のテールランプがまばらに行き交い夜景を飾っているのを高い場所にあるオフィスから見下ろす。 「‥何番に電話したつもり?」 ザーッっと電話の向こうの雨音が激しさを増してるのがわかった。 俺は何でこんな電話に付き合ってるんだろう‥‥‥。 相手に質問しながら不意に自問する。 『‥‥‥あ‥えっと‥』 彼女は俺と一桁違いの電話番号を伝えてきた。 「‥違うな。 最後が」 『‥そうですか、‥ごめんなさい』 そう言って声をまた詰まらせた。
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