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この風呂敷にこれとこれを‥‥ あと刀も必要だ‥。 この大事な刀を誰にも盗られないよう、常に用心しとこう 朝から荷造りをしている。 そして風呂敷の中には女の荷物とは思えない、 袴。 そして、私が今着ているのも袴だ。 長く伸ばしていた髪は 土方さんのように高いところで一本に結ぶ 腰に刀をさす。 日が少なくなったこの道場。 私一人ではやっていけない。 それに沖田さんのお姉さんにも迷惑はかけられない。 わたしは風呂敷をもつ 「彩音‥本当に行ってしまうの?」 「みつさん!」 襖を少しだけ開けて顔を覗かせてきたのはみつさんだった。 沖田さんの姉だ。 「寝てなくちゃだめじゃん! ただでさえ病弱なのに‥。 あたしは大丈夫だから」 ふらついている彼女を支えて床に座らせる 「‥妹が旅立つんだもの。 見送りたいわ」 みつさんは綺麗な顔をあげて、 優しく笑いかけてくれた ‥‥妹か。 「ありがとう、みつさん。 大丈夫。ちゃんと定期的に文を書くね」 私がそう言うと安心したのか、いつもの 包み込むかのような優しい笑顔に戻る 「彩音、このお守りを持って行ってちょうだい。 総ちゃんにもよろしくね」 「まかせて」 私はそう言うとみつさんに見送られながら江戸の町を発った
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