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狭いが明るいリビングで、
これまた筋骨逞しい男が、
何故か私と同じく大臣の娘を着て、
半透明の革を伸ばし鍛練している。
同様の動きをする人間が写る、
魔法の鏡を見ながらしているのだが、
魔法の鏡以上に目に焼き付いて離れない。
この国には異性装する風習が有るのだろうか?
「もう!お兄ちゃんまた私の服着て!
リュミエル姫が見たら誤解するでしょ!」
「おぉ!あんたが、
ひろ子とタスマニアデビルが召喚した異世界のお姫様か!
ひろ子の服似合ってんな!俺と同じ位!」
あの娘の兄上だったのか、
嬉しいどころか嫌な称賛を受け、
彼女も兄で苦労する妹なんだなと、
少し親近感を抱いた。
「ほら!さっさと食いな!
臭い飯付けの地獄とは大違いだよ!
美味過ぎて死ぬなよ!」
彼女達の母上とおぼしき魔女が出した料理は、
これまた見た事も無い代物だった。
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